花粉系ハナムグリ

コアオハナムグリ
Gametis jucunda
観察時期:4月,5月,6月
むしむし度:*

コアオハナムグリ

花粉に集まるハナムグリで最もよく見られる。
小指の爪くらいの大きさで、身体の側面などに細かい毛が生えている。
斑紋はやや少なく、一つ一つが大きめ。
体色変異が大きく、赤っぽい個体も見られる。
またごく稀に黒っぽい個体も見つかることがある。
山間部、河川敷問わず、晴れた日に花の上を探せば見つかる。

コアオハナムグリ
コアオハナムグリ(黒化型)
2016年撮影

ナミハナムグリ
Cetonia pilifera
観察時期:4月,5月,6月
むしむし度:*

ナミハナムグリ

コアオハナムグリより一回り大きく、親指の爪くらいの大きさ。
全体的に毛深く、斑紋は細め。
後述のアオハナムグリに非常によく似ているが、
本種は毛深く、体色もくすんだものが多い。
コアオハナムグリと同じ環境で見つかり、混在していることも多い。

ナミハナムグリ
ナミハナムグリ

アオハナムグリ
Cetonia roelofsi
観察時期:4月,5月,6月
むしむし度:***

アオハナムグリ

ナミハナムグリに非常によく似ているが、
体色が濃く、光沢が強い。
またナミハナムグリに比べて毛がほとんどなく、
肢や体下面は鮮やかな銅色である。
前述のハナムグリ二種に比べると本種は主に山間部、林縁部で多く見られる。

アオハナムグリ
アオハナムグリ

クロハナムグリ
Glycyphana fulvistemma
観察時期:4月,5月,6月
むしむし度:**

クロハナムグリ

黒いハナムグリ。
大きさはコアオハナムグリより若干大きい。
上翅真ん中に左右から延びる大きな斑紋が特徴的。
本種も花粉に集まるが、8割くらいは倒木や樹上で見かける。
そういう意味でこの写真はかなりレアだ。
山間部、林縁部に多い。

クロハナムグリ
クロハナムグリ

ホソコハナムグリ
Glycyphana gracilis
観察時期:4月,5月,6月
むしむし度:****

ホソコハナムグリ

花粉系ハナムグリでかなりレアな種類。
まだ数回しか観察したことがない。
コアオハナムグリとほぼ同じ大きさだが若干スリム。
斑紋がないので見分けるのは容易い。
意外と敏捷で、カメラの気配にも敏感だ。
山間部に多い。


ハナムグリ類の特徴として、上翅を展開せずに下翅だけを広げて飛ぶことができる。
見かけによらずなかなか器用だ。

他に、南西諸島に生息していたアオヒメハナムグリというのが近年本州にも流入している。
アオハナムグリに似るが、前胸前縁の淵が白いのが識別点だそうだ。
観察できればまた掲載したい。

ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボ

ニホンカワトンボ
Mnais costalis
観察時期:4月,5月,6月
むしむし度:**

ニホンカワトンボ(オス)
ニホンカワトンボ(メス)


アサヒナカワトンボ
Mnais pruinosa
観察時期:4月,5月,6月
むしむし度:**

アサヒナカワトンボ(オス)
アサヒナカワトンボ(メス)

GW前辺りから現れるカワトンボの代表的な種。
同定が非常に難しく、未だに間違えることしばしば。
詳しいことは「神戸のトンボ」サイトに詳細な説明があるのでぜひご一読いただきたいのだが、
キーポイントは縁紋の大きさと翅脈の細かさである。
ニホンカワトンボは縁紋の大きさ、細かく言うと縁紋につながる翅脈の数が多く、
アサヒナカワトンボはそれが小さく、少ない。
また二種を比べると、ニホンカワトンボのほうが翅脈が細かく、アサヒナカワトンボは粗い。
ザルに例えるとわかりやすいだろうか。
ニホンカワトンボの方が目が細かく、アサヒナカワトンボは目が粗い。
縁紋に関してはオスはわかりやすいが、メスは二種で差異はあるものの似通っていて非常にわかりづらい。
フィールドで見分けるのはほぼ不可能で、写真に撮って、または採集して判別する必要があるだろう。
京都で過去に観察した二種の分布を地図にしてみた。

これまでの観察データからすると、アサヒナカワトンボのほうが分布としてはやや多く、
京都市内ほぼ全域に生息している。
ニホンカワトンボはどちらかといえば局所的で、かつアサヒナカワトンボと混在しているところも多い。
このページは随時更新しているので、また来年の観察シーズンにでも覗きに来ていただければ幸いだ。

キクスイカミキリ

キクスイカミキリ
Phytoecia rufiventris

観察時期:4月,5月
むしむし度:**

その名の通り、キク科植物をホストとするカミキリムシ。
キク愛好家にとっては忌み嫌うべき存在だろう。
胸部の赤い紋が特徴的。
山間部、河川敷など、ヨモギなどのキク科植物を根気よく探すと見つけられる。


シオヤトンボ

シオヤトンボ
Orthetrum japonicum

観察時期:4月,5月
むしむし度:**

早春のトンボ一番手。
シオカラトンボに非常によく似ているが、翅の縁紋が本種は淡色なのに対してシオカラトンボは黒である。
また、春先であればほぼ確実に本種だ。5月以降はシオカラトンボと競合する。
人には敏感で、少し近づいただけでも逃げてしまう。
山間部、林縁部の池や川、止水域に多い。


ツマキチョウ

ツマキチョウ
Anthocharis scolymus

観察時期:4月,5月
むしむし度:***

早春の白い中型のチョウは、モンシロチョウではなく本種である可能性が高い。
モンシロチョウがふわふわと飛ぶのに比べて、本種は直線的。
オスであれば動体視力のいい人は翅先の黄色い模様が見えるはずだ。
そうでなくても、どこかに停まれば翅裏の緑の網目模様で一目瞭然である。
4月後半以降はモンシロチョウと競合するので、フィールドで見分けるのはやや難しい。
山間部、林縁部であれば市街地でも見られる。



ツマキチョウの蛹

トゲに擬態するかのような蛹は、チョウの蛹にしては非常に珍しい。

ウスチャコガネ

ウスチャコガネ
Phyllopertha diversa

観察時期:4月
むしむし度:***

早春に活動するコガネムシの一種。
桜も咲き終わり、緑がいよいよ濃くなりはじめる4月のある晴れた日に、河川敷の芝生でハチかアブのような黒い影が飛び回っていたら本種。
上翅が薄茶色で半透明。和名の由来ともなっている。
偶然にも私の活動範囲内にスポットがあるが、他では全く見かけない。
恐らく他にもたくさんあると思う。
活動時期は短く、二週間ほどで見られなくなる。
近年、メスを全く見かけないので、なんとか撮影できれば。


ヒメスギカミキリ

ヒメスギカミキリ
Callidiellum rufipenne

観察時期:3月,4月,5月
むしむし度:**

早春から活動するカミキリムシ。
シーズン最初に出会うカミキリムシは本種であることが非常に多い。
山間部、河川敷、林縁部など生息地は幅広く、
その名の通りスギをホストとするが、手すりや樹上、葉上でうろうろしている。
上翅の色は黒や深い藍色に両肩が褐色のものや、全体的に赤褐色のものがいる。


ヨツボシトンボ

ヨツボシトンボ
Libellula quadrimaculata

観察時期:4月,5月
むしむし度:***

早春のトンボ。
京都では深泥池以外での観察記録はない(京都むしむし大博士調べ)。
その深泥池では、シオヤトンボに次いで発生する。
色味が同じなので見分けにくいが、シオヤトンボが地面に停まるのに比べて、本種は枝先に停まることが多い。
翅の前縁の黒い点が名前の由来だが、縁紋も黒いため点は合計8個になるので、ヨツボシ感はあまりない。


コツバメ

コツバメ
Callophrys ferrea

観察時期:3月,4月,5月
むしむし度:***

テングチョウに次いで早春に舞うチョウの一種。
寒さに耐えるように他のチョウと比べて毛深いのが特徴。
しかし飛翔は敏捷で、一度逃すとなかなか捉えられない。
アセビを食草とするため、アセビが生えているところには確実にいる。


コツバメ
コツバメ

モモブトカミキリモドキ

モモブトカミキリモドキ
Oedemera lucidicollis
有毒注意

観察時期:4月,5月
むしむし度:***

春に河川敷の草むらなどで見られる。
オスは後肢腿節、いわゆる太ももの部分が膨れ上がったようになっている。
カミキリモドキ科全般の注意事項として、体液にカンタリジンという有毒物質が含まれているので、
捕獲時に潰したりすると水ぶくれのような症状になるので充分注意しよう。
かなり敏捷性があり、かつ小さいので撮影は困難。
晴れた日の草むら、ヤハズエンドウやヒメジョオンなど注意深く観察していると見つかるかもしれない。
ただ、活動時期が短いため、時期を逃すとまた来年ということになる。


モモブトカミキリモドキ
モモブトカミキリモドキ
モモブトカミキリモドキ
モモブトカミキリモドキ